
酸熱トリートメントについて。

髪質改善が流行り出してから耳にする様になったワードですね。
酸熱トリートメントの登場により、髪質改善の代名詞的な地位を確立した酸熱トリートメントですが、美容師含めどんな技術なのかは、実は知らない人も多いです。
それ故、必要のない髪に施術してしまって逆効果になってしまったとの話もよく耳にします。
本来であれば素晴らしい技術である酸熱トリートメントを今回は詳しく触れていきます。
・酸熱トリートメントとは
聞いたことのない人もいると思いますが、聞いたことのある人でもなんのことだかわからないといった人もいると思います。
この酸熱トリートメントは、髪質改善の先駆け的な存在でしたが、トリートメントと名前に入っていますが、従来のトリートメントとは少し違っています。
そもそもトリートメントとは、ダメージによって流出した髪の成分を補う目的で行いますが、酸熱トリートメントで得られる大きな効果は架橋にあります。
そもそも架橋ってなんだ?って思うかもしれませんが、架橋とは文字通り橋をかける意味ですが、髪においては結合を強化する事を指します。
カラーやパーマなどの化学的な施術を施した髪は、少なからずダメージを受けています。
ダメージを受けた髪は、表面のキューティクルが傷つき、損傷した内部成分が流出していきます。
その際に、髪内部にある結合部分も損傷を受け、ダメージの経過と共に結合の強度が下がってしまいます。
強度が下がっているのを簡単に知りたい場合は、是非お風呂に入っている時に濡れた毛先を引っ張ってみてください。
乾いている時と比べてビヨーンと伸びるはずです。
これは水により毛髪内部の水素結合が切られている状態のため、髪本来が持つ結合の強さを表しています。
容易く伸びれば伸びるほど、髪の強度は低下しておりダメージレベルが高い事を意味します。
この低下してしまった髪の結合、強度を再び高めるためには従来のトリートメントでも可能ですが、最も効果的なのが酸熱トリートメントです。
ただ気をつけなければいけないのが、酸熱トリートメントの架橋効果で髪を強くする事は可能ですが、架橋しすぎると髪は軋みます。
酸熱トリートメントをすでに経験されている人の中には共感できる人がいると思いますが、“続けてやるとより髪が綺麗になります!”と言われてやったのに、何回かやるうちに髪がゴワゴワになってやめてしまったって人。
その原因がこの架橋のしすぎによる軋みが原因かもしれません。
ただし、最初に説明した通り酸熱トリートメントは素晴らしい技術です。
正しく理解し、必要な場合は積極的に取り入れていきましょう。
・酸熱トリートメントの種類
酸熱トリートメントと一言で言っても、物によって違いがあったりします。
少し専門的な話になってしまいますが、酸熱トリートメントの成分には幾つかあります。
お店によっては、成分表記しているお店もあるので、知っているだけでも少し役に立つと思います。
まず代表される成分の一つがグリオキシル酸。
グリオキシル酸の最大の特徴は、酸熱トリートメントの中でもトップクラスに架橋率が高い点です。
最も効果を実感しやすいと言っていいでしょう。
ハリコシが出やすい反面、やりすぎによる質感の悪化が懸念される成分です。
二つ目はレブリン酸。
グリオキシル酸と比べて架橋率は控えめですが、レブリン酸特有の柔らかさとしなやかさが好まれる理由です。
グリオキシル酸のように、やりすぎるによるデメリットが少ないのも利点です。
三つ目はサリチル酸。
酸熱トリートメントの弊害としてパーマ系との相性が悪い場合がありますが、その中でもサリチル酸は相性がいいことで知られています。
この中では最も架橋率が低いため、あまり取り扱っている美容院は少ない傾向にあります。
主に扱われる酸熱トリートメントの成分は上記の三つですが、うまく使い分けることによって効果を最大限に活かすことが可能です。
・酸熱トリートメントの注意点

酸熱トリートメントは髪質改善の普及に伴って瞬く間に美容業界に広まりました。
しかし、冒頭で述べた様に酸熱トリートメントをちゃんと理解していない美容師さんが少なからずいらっしゃいます。
工程の単純さと取り入れやすさが原因ですが、全てのものにおいてメリットしか存在しないものはなく、必ずデメリットがあります。
上記でも書いてある通り、質感の低下などもそうですが、酸熱トリートメント特有の弊害について触れていきます。
酸熱と名前がついていますが、文字通り酸性の薬剤を使用し、アイロンによる熱によって架橋反応を起こすのが酸熱トリートメントの仕組みです。
薬剤を使ってアイロンによる熱入れが必要な時点で、普通に考えてノーリスクとはいきません。
改善する効果が強い反面、髪への負担も多少なりあるということです。
酸熱トリートメントにおけるリスクの中に、過収斂があります。
人間の身体は基本的に弱酸性の状態で安定していますが、アルカリ性や酸性に傾くと、髪も含めて不安定な状態になります。
言葉だけ見ると、弱酸性で安定しているならアルカリ性と比べて酸性は安全そうに見えますが、決してそういうわけではなく、アルカリにより髪は膨潤しますが、酸性に晒し過ぎると過収斂を起こす危険性があります。
過収斂とは髪が引き締まり過ぎて内部が破壊されている状態のことを言い、濡らした時に酷く軋み乾くとサラサラになる特徴があります。
最悪切れてしまう事もあり、髪のダメージとしても致命的なダメージに区分されます。
これは毛髪診断ミスや技術レベルが低い場合に起こるケースが多く、トリートメントと謳っていますが、誰がやっても綺麗になる技術ではないことを意味します。
故に“やればやるほど綺麗になる”と謳っている美容師さんには注意が必要かもしれません。
・酸熱トリートメントに対する誤解
酸熱トリートメントの謳い文句の中に、癖を伸ばすというものがあったりしますが、これには語弊があります。
酸熱トリートメントによって癖が伸びたと感じるのは、ダメージによる毛先の荒れが架橋により治るためです。
ダメージによる荒れや広がりに対しては有効に働く場合はもちろんありますが、癖を伸ばすために作られているわけではありません。
なので、元々癖っ毛だった人の癖を伸ばすことはできません。
たまに傷まない縮毛矯正との名称で酸熱トリートメントをやっている美容院も見受けられますが、縮毛矯正やストレートパーマとは全くの別物になるので注意してください。
もし癖っ毛の人が癖を伸ばしたい場合は、酸熱トリートメントではなく縮毛矯正を選択しましょう。
・こんな人は酸熱トリートメントに向いている
色々書いてきましたが、結局どんな髪の人は酸熱トリートメントが向いているのでしょうか?
酸熱トリートメントの効果は架橋であり、これは通常のトリートメントと比べて定着して安定性に富んだものです。
しっかり効かせることができれば、通常のトリートメントよりも長い期間効果を感じることができるでしょう。
ただし、上記に挙げたグリオキシル酸を使ったものは、その高い定着性が故に、やり過ぎや不必要な髪に行ってしまうと、架橋し過ぎて髪が硬くなってゴワつきを感じる場合もあります。
トリートメントと名前がついてはいますが、万能とはいかないのが難しい点ですね。
ただし、ハリコシの少ない細毛さんやブリーチなどの負担の強い施術を繰り返したハイダメージ毛の人には、高い効果を発揮します。
特にブリーチをしている人は共感いただけると思いますが、トリートメントをやってもその日はいいけど、数日でトリートメントの効果を感じられなくなるのではないでしょうか?
これはダメージレベルが高いとトリートメントの定着が悪いという理由もありますが、多くのトリートメントの場合、その性質は水溶性のものが多いです。
水溶性の利点は髪に入り込みやすいこと、しかし逆に抜けやすいという弱点も同時にあります。
効きづらい髪質に加え、抜けやすい性質ですから、効果が長く続かないのも納得です。
その点では、酸熱トリートメントは違った効果を感じることができると思います。
・まとめ
酸熱トリートメントは、正しく扱うことで貴女の髪を守る心強い味方になってくれる一方、扱いを間違えると、返って扱いづらい状態にしてしまうこともあります。
まずは信頼できる美容師さんを見つけ、自分の髪はどうなっているのか?酸熱トリートメントは必要なのか?など、しっかりと相談し説明を受けた上で、納得してから酸熱トリートメントは受ける様にしてください。
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