縮毛矯正ユーザーの中には、施術を断られてしまう髪質の人が一定数います。

多くがダメージによるものですが、中にはそもそものダメージによるものの人もいらっしゃいます。

今回は後者の髪質の方です。

細かい強い癖で広がりまとまりがありません。

かといって、髪にはハリもなく柔軟性もありません。

これは断られる髪質なのも納得です。

伸びたとしても、かなりダメージが入ってしまいそうです。

今回はこちらのお客様を縮毛矯正していきます。

まずウェットにして髪の強度を見ます。

軽く濡らした段階で予想通り膨潤しているのがわかります。

ここで膨潤するくらいなので、アルカリはそこまで必要ないですね。

ダメージの差もありますし、髪の長さもありますので、今回は２つの薬剤に分けて行なっていきます。

まず、薬剤の浸透を均一にするために1st剤を全体に塗布していきます。

5分ほど時間を置き、重ねて2nd剤を塗布していきます。

今回の薬剤はかなり弱い設定です。

理由はそうでないと置きたい時間まで髪が耐えられないからです。

ここ、美容師も勘違いしている人多いところですが、膨潤＝還元ではありません。

膨潤すると、髪はビョンビョン伸びるようになります。これが進むと、少しの力で髪がゴムのように伸びてしまいます。

還元とは、癖の部分を切ることを言いますが、この二つの反応は＝ではありません。

強い薬剤で一気に膨潤させてしまった場合、流さないと髪は大ダメージを受けます。

しかし、還元反応はできていませんから、癖は伸びません。

あんなに膨潤してたのに癖が伸びなかった！という結果になります。

それもそのはず、膨潤は、していても、還元は、まだ不十分だったのですから。

この還元をしっかり行える様に、耐えられる範囲での選定が大事な理由がこれです。

規定時間まで時間を置き、しっかり流します。

基本的な工程はいつも通りですが、今回は薬剤選定と熱の入れ方がちょっと神経使うくらいです。

では、仕上がりを見てみましょう。

ほとんど質感を落とすことなく癖が伸びました。

自立機が取れたことで、手触りに関してはかなり改善されています。

他店で断られる様な髪でもしっかり綺麗にします。