
ヘアフレグランスで頭皮のにおいは消える?香りを重ねる前の順番を毛髪診断士が解説
2026年の美容トレンドとして、いま定番になりつつあるのが「香り美容」です。香水をつけるのではなく、ヘアケアやボディケアそのものに香りを組み込む流れで、ヘアフレグランス(ヘアミスト・ヘアコロン)は各社から新作が続いています。秋は汗が引いて油断しがちな時期ですが、じつはこの時期に「夕方になると髪がにおう気がする」というご相談が増えます。
そこで気になるのが、ヘアフレグランスを使えば、頭皮や髪のにおいは消えるのかという点です。静岡市葵区鷹匠の美容室・五感鷹匠には毛髪診断士が在籍していますので、においがどこから出ているのか、香りで対処できる範囲はどこまでなのかを、正直にお話しします。
この記事の結論
- 髪そのものはにおいをほとんど出しません。においの発生源は頭皮の皮脂と、そこに住む常在菌です
- ヘアフレグランスは「香りを足す」もので、においの発生源を止めるものではありません
- 皮脂が残ったまま香りを重ねると、皮脂のにおいと香料が混ざって、かえって気になる場合があります
- 順番は①落とす ②乾かす ③香らせる。この順番を守れば、ヘアフレグランスはとても役に立ちます
- 洗っても数日で戻る、フケ・かゆみ・赤みを伴う場合は、香りでカバーせず一度ご相談ください
2026年は「香り美容」が定着。ヘアフレグランスが伸びている理由
2026年の美容トレンドは、「香り美容」「ツヤ質感」「時短・ミニマム美容」といったキーワードで語られることが多くなりました。香水を別につけるのではなく、毎日使うヘアケアやボディケアのなかで香りも一緒に満たしてしまおう、という発想です。
ヘアフレグランスが選ばれているのは、香水と違ってアルコールの配合が少なめの製品が多く、髪の乾燥を気にせず使いやすいこと。さらに保湿成分やツヤ出し成分を兼ねた製品も増えていて、「香り+見た目の印象」を一度に整えられる点が支持されています。
実際、サロンでも「マスクを外したときや、エレベーターで人と近づいたときに、自分の髪がどう感じられているか気になる」という声をよく伺います。香りで印象を整えたいという気持ちは、とても自然なものだと思います。
ただ、「においを消したい」という目的でヘアフレグランスを使うと、思ったほど効かないことがあるのです。理由は、においが出ている場所にあります。
においの発生源は、髪ではなく頭皮です
ここが一番大事なところです。髪の毛そのものは、ほとんどにおいを出しません。髪は基本的にタンパク質の繊維で、皮脂腺も汗腺もついていないからです。
においが生まれているのは頭皮です。流れとしてはこうなります。
- 頭皮から皮脂と汗が出る
- 落としきれずに残った皮脂が、時間とともに酸化する
- 頭皮にいる常在菌が皮脂や汗の成分を分解し、においのもとになる物質が生まれる
- 髪がそのにおいを吸着し、揺れるたびに広がる
髪は「においを出す場所」ではなく、「においを運ぶ布」に近いイメージです。ですから、布のほうに香りをかけても、元の火は消えていません。
年代によって、においの質が変わることもわかってきています。伊藤廉『大人髪のトリセツ』(KADOKAWA)では、男性は30〜40代からジアセチルを要因とする「ミドル脂臭」、50代くらいからノネナールを要因とする「加齢臭」が出やすくなると整理されています。女性にも加齢臭があることはわかってきているものの、研究はまだ進行中で、複数の成分が複合的に関わっているところまでしかわかっていないとされています。
つまり、においは「不潔だから」出るものではなく、年齢とともに変わる自然な現象でもあるということです。ここを責める必要はまったくありません。
常在菌の働きについては、頭皮にも常在菌がいる?フケ・かゆみ・においと「頭皮フローラ」の関係で詳しく書いていますので、あわせてご覧ください。
香りを重ねると、かえって気になる3つの場面
ヘアフレグランスそのものが悪いわけではありません。ただ、次の3つの場面では、香りを足すことが裏目に出やすいです。
1. 皮脂が残ったままのとき
酸化した皮脂のにおいと、フローラル系やムスク系の香料が混ざると、どちらでもない独特のにおいになることがあります。「いい香りのはずなのに、なんだか重い」と感じるときは、この組み合わせであることが多いです。
2. 夕方以降に重ねがけしたとき
朝つけた香りが弱まったからと夕方に足すと、皮脂が一日ぶん増えている状態に香りだけが上乗せされます。時間が経つほど、においのもとと香料の距離は近づきます。
3. 頭皮の炎症があるとき
赤み、かゆみ、フケを伴っているときは、香料やアルコールが刺激になることがあります。この場合はにおい対策より、頭皮を落ち着かせるほうが先です。
香りに頼る前に、まずこの3つ
順番としては、①落とす ②乾かす ③香らせるです。①と②ができていれば、ヘアフレグランスは本来の「印象を上げる道具」として気持ちよく使えます。
① 予洗いを1分半に伸ばす
シャンプー剤をつける前に、ぬるま湯だけで洗い流す工程です。『大人髪のトリセツ』では、予洗いの目安を1分半、湯温は38℃としています。多くの方が1分以内で済ませているので、最初はかなり長く感じると思います。
この予洗いだけで、スタイリング剤以外の汚れのほとんどは落ちるとされています。さらに髪が十分に濡れることでシャンプーの泡立ちがよくなり、髪同士の摩擦によるダメージも減らせます。においとダメージの両方に効く、いちばん費用のかからない改善です。
② 洗い残しやすい4か所を意識する
まんべんなく洗っているつもりでも、抜けやすい場所があります。頭頂部・つむじ・耳の後ろ・襟足の4か所です。いずれも皮脂が多い部分で、においが出やすい場所と重なります。
指の腹で頭皮をつかみ、揉み出すように洗ってください。爪を立てる必要はありません。すすぎは「もういいかな」と思ってからさらに30秒。流し残したシャンプーも、においのもとになります。
なお、お湯だけで洗う「湯シャン」は、においの観点からはおすすめできません。皿洗いと同じで、お湯だけでは油汚れが落ちきらず、においが残りやすいためです。
③ 洗ったらすぐ乾かす
濡れた頭皮は、菌が増えやすい環境です。自然乾燥で長時間置くと、せっかく落とした意味が薄れます。根元から風を入れて、頭皮を先に乾かしてください。
外出先で汗をかいたときは、ドライシャンプーが便利です。ただし洗浄力は通常のシャンプーには及びませんので、一時的なリセット用と考え、毎日の洗髪の代わりにはしないほうが無難です。
そのうえで、ヘアフレグランスを活かす使い方
①と②が整っていれば、ヘアフレグランスはとても良い相棒になります。使い方のコツをいくつか。
- つけるのは毛先から中間。頭皮に直接吹きかける必要はありません
- 20〜30cm離してひと吹き。近距離で多量に使うと、香りが強く出すぎます
- 朝の乾かした直後がベスト。清潔な状態にのせるのが、いちばんきれいに香ります
- 重ねがけより、つけ直しの前に一度ブラッシング。ホコリを落とすだけでも印象が変わります
- シャンプー・トリートメント・スタイリング剤と香りの系統を揃える。別系統を重ねるとぶつかります
ちなみに、洗い流さないトリートメントは熱や紫外線から髪を守る役割があり、こちらも好みの香りで選んで問題ありません。香りを楽しみながらダメージ予防もできるので、一石二鳥です。
香りでできること・できないこと
正直に線を引いておきます。
ヘアフレグランスでできること
- 清潔な髪に、好みの香りをまとわせる
- 製品によっては、保湿やツヤ出しを兼ねる
- 日中の気分を整える、印象づけの一手にする
ヘアフレグランスではできないこと
- 頭皮の皮脂の分泌そのものを変える
- すでに酸化した皮脂のにおいを消す
- 頭皮の常在菌のバランスを整える
- フケ・かゆみ・赤みといった頭皮トラブルを改善する
香りは「上に足すもの」であって、「下を消すもの」ではありません。ここを分けて考えるだけで、ヘアフレグランス選びの失敗はぐっと減ります。
洗い方を変えても戻ってしまうときは
予洗いを伸ばし、洗い残しを減らし、すぐ乾かす。これを2週間ほど続けてもにおいが戻ってしまう場合、頭皮の環境そのものに原因があることが考えられます。
こうしたときは、頭皮の状態を実際に見てから判断したほうが早いです。皮脂の量が多いのか、逆に乾燥して過剰に分泌されているのか、常在菌のバランスが崩れているのか、シャンプー剤が合っていないのか。原因によって打ち手がまったく変わるからです。
五感鷹匠のヘッドスパは、リラクゼーションだけでなく、頭皮のにおいへの対応も含めて組み立てています。詳しくはヘッドスパは「癒し」だけじゃない|眠りの浅さ・頭皮のにおい・抜け毛に効く理由と選び方をご覧ください。
また、においと同時に抜け毛が気になる時期でもあります。秋の抜け毛については秋の抜け毛はいつまで続く?1日何本までが正常か・夏ダメージとの関係にまとめています。
どのメニューが合うかわからないという方は、カウンセリングで頭皮と髪の状態を確認するところから始められます。日々のケアの見直しをご希望の場合はヘアケアメニューもあわせてご覧ください。
よくあるご質問
Q. ヘアフレグランスは頭皮につけてもいいですか?
基本的には毛先から中間だけで十分です。頭皮に直接つけると、毛穴まわりに香料やアルコールが残りやすく、刺激になる場合があります。特に、かゆみや赤みが出ているときは避けてください。頭皮につけるなら、頭皮用に設計された化粧水や美容液のほうが向いています。
Q. 香りが強いシャンプーを使えば、においは隠せますか?
一時的にはある程度隠せますが、根本の対策にはなりません。シャンプーは「香りの強さ」より「自分の悩みに合っているか」で選ぶのが基本です。頭皮のベタつきが気になるならスカルプタイプ、常在菌のバランスが気になるならそこに着目した製品、というように選び、1本使い切ったところで髪と頭皮がどう変わったかを振り返ると、次の選択がしやすくなります。香りや洗い上がりの好みは、そのうえで加味する要素です。
Q. 一日に何回も洗えば、においは減りますか?
逆効果になることがあります。洗いすぎると必要な皮脂まで落ち、頭皮が乾燥を補おうとして皮脂を余計に分泌することがあるためです。また、常在菌のバランスを乱す可能性も指摘されています。回数を増やすより、1回の質を上げるほうが結果につながりやすいです。予洗い1分半、洗い残し4か所、すすぎプラス30秒。まずここからで十分です。
まとめ
ヘアフレグランスは、2026年の「香り美容」の流れのなかで、とても良い選択肢だと思います。ただしそれは、においの発生源を整えたうえで使うことが前提です。
髪はにおいを出していません。出しているのは頭皮の皮脂と、そこに住む常在菌です。落として、乾かして、それから香らせる。この順番を守るだけで、同じヘアフレグランスでも香りの立ち方はずいぶん変わります。
そして、洗い方を変えても戻ってしまうときは、香りでカバーし続けずに一度状態を見せてください。静岡市葵区鷹匠の五感鷹匠では、毛髪診断士が頭皮と髪の状態を確認したうえで、必要なケアをご提案しています。
- 静岡の髪質改善 美容室 五感鷹匠
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