前回の続きです。

ブリーチからの縮毛矯正で、施術部分はポーラス毛になっている可能性が高いです。

そのため、今回は既矯部は冒険せずに新生部に縮毛矯正を行っていくことにします。

今回はモデル様ですが、モデルだからといって毛先まで施術するばかりではなく、しっかり毛髪診断をし、リスクヘッジまで行う訓練でもあります。

これは、今後スタイリストを目指す美容師さん全員に言えることですが、何が必要で何が不必要なのか。

マニュアル通りにできることは大前提とし、どんな髪の状態のお客様がご来店されても最大限に対応できる柔軟性を磨くのもモデルの大切なところです。

今回は、ウェットの状態からアンダートーン、髪のハリ具合を確認し、極めて危険と判断しました。

縮毛矯正の講師陣がこぞって言うのが、どんな危ない髪も綺麗に伸ばせると言う時声はいいですが、そんな緊急事態に自分のお客様を陥らせないことの方が最も重要かつ忘れがちなところ。

お客様の要望に応えられる様に、常にお客様の大切な髪を守り続けていくことが、担当美容師の責務です。

改めて今回のお客様の髪を見てみましょう。

かなり癖は強め、そしてかなりしっかりしています。

写真だけで見ると、大きくうねっている様に見えますが、非常にキツめの捻転毛と波状毛の混合毛であることがわかります。

このタイプの癖は、還元後細かい癖に変化する様に思います。

一見ビビり毛に見えるので、慣れるまで最初はギョッとします（笑）

本当は還元力とアルカリを上げればもっと楽なんですが、今回は毛先に干渉することを懸念して安牌を取りました。

なるべく帯にならない様にギリギリを意識して薬剤を塗布し、一気に規定時間まで置きます。

時間が来たら、シャンプー台にて洗い流していきます。

毛先への干渉を抑えるため、できる限りの処理を行い、席に戻って乾かしていきます。

毛先にオイルを塗布して乾かしていきます。

この際、毛先にはアイロン入れませんが、しっかり乾かします。

ウェットの状態だと、毛先に流れてきた還元剤が無駄な反応を起こす場合があるためです。

アイロンの温度を気持ち高めに、ツインブラシを使って丁寧に熱を入れていきます。

あとはいつもと同じ流れで進め、仕上がりを見てみます。

やはり毛先はアウトですが、癖自体は綺麗に伸びました。